企業経営において、「リーダーシップ」と「マネジメント」は欠かせない。
特に、100年に一度と言われるような厳しい現下においては、その巧拙が企業の明暗を分けるといっても過言ではないだろう。
我々が経験したことの無い、先が十分に見通せない中にあっても、自社が進むべき方向、目的や目標を的確に示して、社員がその方向に進むよう仕向け、働きかける「リーダーシップ」は極めて重要だ。
我々は今、崩落したトンネルの中か、火事場で出口が分からない場所にいるのかもしれない。その時に、経営トップ、リーダーたるものが、しっかりと進むべき方向と、その方策を的確に示さなければ、組織は全滅してしまう。無能なリーダーの下では、各自がバラバラに動いて、ただ運の良い者だけが生き残るだけだ。
しっかりと現状を見つめて、自社のあるべき姿を明確にし、現状とあるべき姿とのギャップ、経営課題を示して、それを解決するための方策を考えることが必要だ。
正解など誰にも分からない。
だが言えることは、何もせず、ただじっと待っていれば、きっと誰かが助けてくれる、ということは無い。時間が経てば経つだけ事態は悪化し、手遅れになる。
絶対に「倒産」しない、と、決して諦めず、強い気持ちで一歩踏む出そう。それが経営トップ、リーダーの最大の責務である。
目標や方向性が決まったら、後は一致団結して皆で進むことになる。
しかし、ただ闇雲に、猪突猛進すれば良い、というものではない。「マネジメント」の出番だ。
私は「マネジメント」を
人・モノ・金・情報といった経営資源を
効率的・効果的に活用して
組織目標を達成すること
と定義している。
特に企業経営では、“仕事と人”の二面からマネジメントする必要がある。
目指す方向、目標に向かって進むためには、計画(Plan)を立て、それを実行(Do)し、計画通りに進んでいるかを絶えずチェック(Check)しながら、改善(Action)していくことが有効だ。これが仕事を管理するPDCAマネジメントである。
さらに仕事を行うのは“人”である。年齢、性別、学歴、思想など、属性も、これまで育った環境も全く異なった人達が集まった組織を束ねて成果を上げていかねばならないのだから、そのメンバーにも十分配慮した組織運営が必要だ。
リーダーが掲げた共通の目的、目標を浸透させ実現するためには、メンバーの「貢献意欲、モチベーション」を高めることが重要である。
最初は、皆もがんばろう!と思ってはいても、実際に進めていくと障害が多く、いろんなことにぶち当たって萎えてしまうことも多い。その際に有効なのは「コミュニケーション」だ。
人のマネジメントでは、「共通の目的」を掲げ、「モチベーション」を高めて、「コミュニケーション」を図ることが重要となる。
「マネジメント(management)」の“manage”の語源は、ラテン語で「手」を表す“manus”とのこと。
昔は、西洋人の主な移動手段は馬だった。目的地に向かって、狭い道を馬車が行き交って進んでいくためには、ムチで馬を引っ叩くのではなく、「手」で馬を優しく操って、お互い往来したのだ、という話を20年前に聞き、「なるほど!」と感心した記憶がある。
「マネジメント」=「管理」と、日本語では訳されことが多いが、何か心が通わないような響き、冷たいイメージとはかけ離れたものではないだろうか。
マネジメントとは、難しいことを成し遂げるために、何とかして実現しようすること。
会社が決めたことを、決められた通りにサボらずにやれ!と、上司が監視して、強制をしいるようなものでは無いハズだ。
ぜひ組織を望ましい方向へ導いていく「リーダーシップ」を発揮し、良い結果に結びつけていく実効性の高い「マネジメント」を実践して、このピンチをチャンスにして乗り越えていこう!
新しい世界は、悪いことばかりではないはずだ。
諦めずに生き残っていけば、必ず良いことはある。
諦めずに生き残っていけば、必ず良いことはある。
小林ビジネスコンサルティング株式会社
代表取締役経営コンサルタント 小林八尋
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