「努力は必ず報われる」という。だが果たしてそうだろうか。
ムダな努力ならまだ許されるのだろうが、間違った努力はすればするほど間違った方向に物事は進み、目標(Target)から遠のくのは当然である。

私は決して諦めずに一生懸命努力し続けている! と、明らかに間違った方向に進んでいる人を放置してはいけない。
残念ながら誤った施策・方法を計画(Plan)し、一緒懸命に努力して実行(Do)すればするほど悲惨な結果(Result)になる。
そんな努力を止めさせる評価(Check)がなく、歯止めが効かないと大変なことになるだろう。

大昔のことではあるが、私が小さい頃、野球・サッカーなどの運動部では「うさぎ跳び」でグランド〇周が課された。うさぎ跳びは、下半身の筋力アップや辛い練習に耐えることで根性が鍛えられるということだったのだろうが、その効果よりも関節や筋肉を傷める可能性が高いために今では禁止。
またスポーツ中に「水飲み禁止」も当たり前だった。今では考えられないことだが、水を飲むとバテる、飲みたい気持ちを我慢することで精神を鍛えると。だかそんな危険なことをしたら脱水症状や熱中症の原因になる。
このような間違った方法・ムダな努力をいくら繰り返していても、野球やサッカーが上手くなることはなく、身体を壊す可能性は大で、チームが優勝に近づくことはないのは明らかだ。

こういった誤った方法・施策を計画(P)し、一生懸命に努力し実行(D)していては、良い結果(R)を生む出すことは不可能である。

このやり方で間違っていないか、目標達成に本当に有効な施策なのか、良好な結果を生み出しているのか。これらを評価(C)し、改善(Action)していかないと、とんでもないことになる。

当初決めたことを、そのままやり続ければ必ず報われる! などということは絶対にあり得ない。
そのような根性論・精神論だけで実行し続けても、目標は達成しないし良い結果に至ることはないだろう。
目的、目標達成に真に有効な計画なのか、本当に実効性が高い施策や方法なのか、そこをしっかりと冷静に評価しなければならない。もし疑義があれば、継続すればするほど、努力すればするほど、目標から遠ざかるし悲惨な結果になろう。

これは昨今起こっている様々な事件を見ても明らかだ。
自己の征服欲や権力維持ための実力行使、明らかに状況悪化にも拘らず予定通りに決行するなど、当人は良かれと思って実行することが悲惨な結果を生み出し、周りは大迷惑である。こういった努力を許してはいけない。「努力し続ければ必ず報われる」といった誤ったメッセージは非常に危険だ。

確かに善行を三日坊主で止めてしまうのはダメである。
だが、このまま努力し続けることは本当に良いことなのだろうか、今行っていることは目標達成に効率的・効果的なのだろうか。そこをしっかりと振り返って、PDCAマネジメントサイクルを回すべきである。

PDCAマネジメントサイクル(目標達成ツール)

PDCA

小林ビジネスコンサルティング株式会社
代表取締役経営コンサルタント 小 林  八 尋


(元 株式会社ちばぎん総合研究所 経営コンサルティング部長)
(元 一般社団法人東京プロマーケット上場協会 理事)