よく社長は孤独と言われる。
会社を経営していると、お金や売上の不安や、人の問題などが日々発生し、悩まされることが多い。また社長は重要な決断を迫られることが多く、それが企業経営に大きな影響を与えることから、社長一人にかかる重圧は非常に大きなものがある。
そしてこのような重要な決断をする際に、自社の社員を頼って相談に乗ってもらうのをためらうことは想像に難くない。だから必然的に孤独になるのだろうか。

しかし誰一人、親身になって相談に乗ってもらったり、アドバイスを受けたり、参考になる人が周りにいないのだろうか。果たして、社長は孤独であることが当たり前のことなのだろうか。

確かに社員、同業者、銀行など、自分の弱みや経営実態を知られたくない人が社長の周りには多いのかもしれない。しかし、顧問税理士や経営コンサルタントなど、親身になって相談に乗ってくれる人は周りにいるはずだ。いや、いるべきではないだろうか。

私は、絶対に孤独ではいけないと思う。
何事にも必ず正解がある、とは言わないが、どのような難題にも解決策は必ずある。
孤独では、判断を誤る可能性が高い。組織のトップは、孤独で、独善で判断するのではなく、信頼おける人からの情報やアドバイスなどを得ながら様々な角度から検討し、八方手を尽くして、最善の判断をすべきだ。

十数年前、前職で初めて部長になった時、私も孤独感を味わった。
もともと人付き合いがあまり得意ではないのだが、部長になって急に威張って怒鳴り散らしたり、高圧的な態度で部下に接するよう変化したわけではないのに。でも何か疎外感にさいなまれた。部長になると、それまでと同じ言動でも、部下にとっては受け止め方が全く異なってくるのかもしれないし。きっと煙たがれる存在なんだろうな・・・

徳は孤ならず 必ず隣あり(論語)

徳が備わっている人は決して孤立することはない
必ず良き理解者が出てきて、助けてくれるものだ

その時、この言葉に出会った。
もしかしたら孤独なのは、皆が急に私に冷たくなったのではなく、私自身に問題があるからなのではないだろうか。きっと自分に“徳”が足らないからだ。
そう思って私は、疎外感を気にすることよりも、今後は私自身がもっと徳を積むことを心掛けようと、思いを新たにした。

この新型コロナ禍で、先が見えぬ状況に、途方に暮れてしまうような不安で、安心して眠れない日々を送られている社長がいるかもしれない。
だが、諦めず生き残っていけば、必ず良いことはある。

一つだけアドバイスさせていただければ、今はとにかくできるだけお金をかき集めること。
そんなに借りて後で返せるのかと心配する社長もいるが、今はそんなことで躊躇している場合ではない。とにかく、借りて、借りて、借りまくる。社長が心配するほど銀行は貸してくれないし、今は借りたお金を使わずに持っておけば良いのだ。お金さえあれば、後から策はいくらでも出てくる。
もし、すでに倒産せざるを得ない状況下に置かれているとしたならば、自暴自棄になって倒産するのではなく、その道のプロに相談すべきだ。必ず打ち手はある。

社長は孤独でよいはずはない。
一人で悩み、諦める前に、まず孤独の状況を改めてみませんか?

小林ビジネスコンサルティング株式会社
代表取締役経営コンサルタント 小林八尋